コロナウィルス・イギリスの状況2

外出制限6週目のロンドンから。

4月に入り、感染者も死者も毎日めまぐるしく増加しているイギリス。ピークは一応過ぎたのではないかということですが、当初3週間の予定で開始された外出規制は、5月の初めまで延長されています。

4月のイギリスの状況をまとめてみます。

4月2日

前の週にコロナ感染が判明したマット・ハンコック保健相復帰!イギリスでは、陽性が確認された軽症の人達は自宅隔離・療養、症状がなければ1週間で社会復帰。(ガイドラインの図参照)日本のように陰性が2回出るまで検査をしていないので心配ですが、ハンコック保健相は復帰後週2~3回の記者会見と他の仕事もしていて、彼の周りで感染者が確認されている人はいないので大丈夫なのでしょう。しかし日本では、2度陰性が確認されて退院したにも関わらず、また陽性になり家庭内感染してしまった方もいるようで、イギリスにもいないわけはないと思いますが、どうなんでしょう?

4月3日

この日、ハンコック保健相のように1週間で復帰するかと思われたボリス・ジョンソン首相ですが、まだ熱があるので引き続き自宅療養をするとのこと。動画のボリスはとても具合が悪そうでした。

コロナ患者の増加が見込まれたため、ロンドン東部にあるExcel(大きな展示場)がNHSナイチンゲールホスピタルとしてオープン。最大で4,000~5,000人受け入れ可能になりますが、まずは500人の受け入れ態勢を整えました。この他、バーミンガムやマンチェスターなど6カ所に同様の病院を建設。収容人数は、地域によって様々です。

4月5日

夜7時のニュースで、いきなり「ボリス緊急入院!」 陽性が確認された時点では、軽症だといっていたのですが、2日前は明らかに具合悪そうだったので、入院はショックではあるけれど、驚きはしませんでした。

夜8時。エリザベス女王のスピーチ。クリスマス以外で見ることはない女王様のスピーチ。国民一致団結の気分が高まりました。

4月6日

ボリスICUへ!いくら具合悪そうだったとはいえ衝撃的なニュース。ボリスに何かあったら、コロナとも闘えず、BREXIT後のネゴシエーションも一体どうなるの?

そしてこの日から、イギリスの全ての家に、ボリスからの手紙が届きます。「こんなに素敵な手紙を外国人の私達にまで・・・」というイギリス在住者の感動コメントがネットにたくさんありました。それに対して、日本在住の方々が「さすがリーダー」「日本は今更マスク2枚」というようなことを言っているのをたくさん見かけました。でも、安倍首相から手紙が届いた暁には「これで飯食えるか!」「こんな手紙配るのにいくらかかったんだ!」「金持ちのボンボンには庶民の気持ちがわからない」などど顰蹙をかったに違いありません。

4月12日

ボリス無事退院。本当によかったです! お世話になった看護師さん達へお礼のメッセージを送っていました。

4月16日

療養中のジョンソン首相に代わって指揮をとっているドミニク・ラーブ外相が、3週間の外出制限延長を発表。3週間後は5月7日ですが、5月8日金曜日は祝日なので、実質5月10日日曜まで。イギリスでは例年5月1週目の月曜日がバンク・ホリデー(祝日)なのですが、戦勝75周年の今年、戦勝記念日の5月8日に祝日を変更していたのです。結局、何の行事もなくなってしまいましたけど。

4月17日

リシ・スナック財務相がCoronavirus Job Retention Scheme (CJRS 80%の給料補償)の期間を5月末から6月末までに延長することを発表。

契約内容にもよりますが、多くの企業は解雇通告を45日前にしなくてはならないので、5月末以降の補償がなく、業務も再開できそうにない場合、この頃には解雇を決めなくてはいけなかったので、このタイミングで6月末までの延期を発表したようです。

4月20日

CJRS申請サイトが予定通りにスタート!クラッシュすることもなくスムーズに動いていました。8時からスタートし、夕方4時までに14万件の申請がありました。

4月22日

当初の予定では19日にトルコから到着する予定だったPPE(防護服・マスクなど)が無事到着。遅れの理由はウヤムヤにされたのでメディアが大騒ぎしていました。

4月23日

コロナウィルスのワクチンの治験開始!2日後、最初治験者が亡くなったというデマが流れていましたが、彼女は元気です。本当にとんでもないデマを流す人がいます。

4月24日

3月からテレビをつければ検査、検査と大騒ぎしていましたが、やっとNHSのスタッフなどキーワーカーが検査を受けれることになりました。この日はオンライン予約サイトが開始されました。しかし、開始早々に申請殺到のためクラッシュ、繋がった時には本日の予約は終了、予約ができても家から遠過ぎて行けないなど、いろいろ問題がありました。ロンドンなどの都会ではドライブスルーの場所も複数あるでしょうが、地域によっては遠くにしかないところもあるのでしょう。初めはいろいろありますが、問題は徐々に解決していくでしょう。また、家まで検査に来てくれるシステムもあるようです。

4月27日

ボリス・ジョンソン首相、1カ月ぶりにNo10に復帰! 朝、外で挨拶をしていましたが、病み上がりというよりは、まだまだ病人っぽい顔つきで心配です。夕方の定例記者会見には出席しません。

毎日5時頃行われる記者会見。今までは政府の報告の後、メディアからの質問に答える形式でしたが、この日から一般からの質問にも答えるようになりました。

リシ・スナック財務相、中小企業救済のために新たなローンを発表。3月に発表されたローンは、政府が思っていたより申請は厳しく、もっと簡単に借りれるローン(Bounce Back Loan)を考えてくれたようです。申請は5月4日から可能。

4月28日

既に100人以上のNHSスタッフが亡くなられ、この日黙祷をしました。また、遺族には6万ポンド支給されるとのことです。

コロナに感染した子供達に、川崎病のような症状がでているというニュース。子供は罹っても軽症という話でしたが、こういう合併症がでてくるとは怖過ぎです。詳しいことがわからないと、休校解除などが難しくなっていきます。

British Airways、1万2千人解雇!3月にCJRSが発表になった時、誰も解雇しないという話でしたが、6月末までCJRSでカバーできても、今後のことを考え解雇という決断をするしかなかったのでしょう。どう考えても年内に通常通り飛行機が運航できるとも思えず、各国の入国制限が解除されないと、飛行機に乗る人も限られます。去年レベルに戻るには、少なくとも数年はかかります。

4月29日

ボリス・ジョンソン首相と婚約者キャリー・シモンズさんに男の子が生れました!ボリスがコロナに感染し、キャリーさんも心配されましたが、コロナに感染もせず無事出産。暗いニュースばかりの時に、明るいニュースです。

公表されている死者数にやっと高齢者施設などで亡くなった方が加算されました。その数、4,000人超。3月末か4月初めぐらいだったと思いますが、毎日発表されている死者数、実は1週間とか10日ぐらい前に亡くなった人が含まれているというニュース。更に、高齢者施設や自宅で亡くなった人がたくさんいるのに、死者数には全く含まれていない。4月の半ばぐらいに、クリス・ウィッティー教授が「現在までに92の施設で死者が確認されていることは報告されているけれど、何人かはわからない」といって、その時点で公表されている死者の15%増しではないかという話にでした。そしてこの日やっと、病院以外で亡くなった人の数が一気に加算されたのです。しかし、病院からの報告も、病院によって日にちがずれることもあり、そもそも本当の死因を確定できていなかったり、Death Certificateは1週間以上遅れたりするのでこの数字も確かではありません。イギリスに限らず、数千人以上亡くなっている国は、どこも同じような感じなのではと私は思っています。

4月30日

キャプテン・トムの100歳の誕生日。4月6日からNHSへ寄付するために’Tom’s 100th Birthday Walk For The NHS’というキャンペーンをしていて、目標額は£1,000でしたが、なんと!£30㏕ (40億円!!)を越えています。

ボリス・ジョンソン首相、定例記者会見に登場! イギリスはピークを過ぎ、来週には外出制限の緩和の時期や方針を示すということでした。そして、マスクについてもふれていました。今までマスクは感染予防には効果ナシというのが定説でしたが、イギリスも今後マスク着用が義務付けられるかもしれません。

イギリスは、コロナがアウトブレイクし始めてから問題になっていた検査・PPE・病床の不足が解消され、企業・事業主・従業員への支援策も始っていますが、それでもいろいろ問題はでてきます。

BAME (Black Asian and Minority Ethnic)

アメリカで感染者に黒人が多いというニュースが出た後、イギリスでもやはりBAMEその中でも特に黒人とアジア人の重傷者・死者が人口の割に多いというのが確認されました。(但し、人口の比率は2011年の国勢調査時)

BAMEの人口は国民の約14%、それに対して重傷者34%がBAME。そしてイギリスの問題は、NHSの医者44%、看護師24%がBAMEということで、亡くなったNHSのスタッフの60%以上がBAMEの人達です。生活習慣、体質など原因を突き止めないとますます医療従事者が減ってしまいます。

*イギリスでいうアジア人というのは主にインド・バングラデシュ・パキスタンなどの南アジアの人で、日本人はその他のマイノリティとして扱われることが多いです。

フルーツなど

イチゴが美味しい時期ですが、ここにもコロナの影響が起こりそうです。まず、スペインなどからの輸入は、現地の労働者不足のため減少。イギリス国内では、この15年ぐらい多くの東ヨーロッパの人が農業に携わり、フルーツなどをパックに詰めているのも東欧人。季節労働者が多く、毎年この時期に東欧からたくさん仕事に来ていたらしいのですが、今年はコロナの影響で飛行機が飛んでいません。イギリス国内でFurloughで仕事をせず家にいる人がたくさんいるので、そういう人達が働けばいいじゃないか(Furlough中、他の企業の仕事は許可されている)という意見もありますが、業者としては、素人を雇っても効率が悪過ぎるということでした。結局、チャーター便でルーマニアから季節労働者を連れてきているようです。今のところスーパーに行って、フルーツも野菜も不自由なく買えていますが、この先不足したり値上がりしたりするでしょう。BREXIT効果とダブルで打撃です。

BREXIT

コロナのおかげでEUとのネゴシエーションが全くされていません。5月にはヨーロッパ各国、コロナからの復活が始まると思うので、もう少ししたらEUとの交渉が始まるとは思いますが、年内にどこまで合意ができるのかわかりません。コロナも合わさって、今後のイギリス経済は相当厳しくなっていくでしょう。

在宅勤務を始めてから丸6週間が過ぎました。最初の頃は、身体のためと1日1回散歩したりスーパーに行ったりしていましたが、日に日に増えて行くマスク姿の人、歩くときはお互いに相手を避けるように歩いたりで、なんとなく気分が下がったり、スーパーに並ぶのも面倒になってきたので、気が付くと週1~2回の買い出しぐらいになっています。元通りの生活に戻るのはずっと先のことだと思いますが、とりあえず、週数回、仕事のついででもいいので、家の近所以外のところに行きたいです。