イギリスでみるロシア

ロンドンに住んでいて得るロシアの情報とイメージなどをお話します。

イギリスとロシア。私にとってはどちらも大好きな国ですが、この2つの国の関係は全然よろしくありません。

イギリスのニュースで見るロシア報道と感想

ソ連が崩壊し、冷戦が終わり、経済はボロボロ、国際的立場も下がってしまったロシアは90年代、すっかり忘れ去られた感じでしたが、プーチン大統領とともに復活してきました。当初はせっかく立ち直ってきたし、これから民主化するだろうし、ロシアの資源も欲しいし、仲良くしましょうかということで、2003年、プーチン大統領はイギリスに招かれていました。

しかし、オリガルヒのボリス・ベレゾフスキー、元FSBスパイのアレキサンダー・リトビネンコやプーチンと敵対するロシア人達が続々イギリスに移住。2006年には、(イギリスのニュースによると)ロンドンの中心地・メイフェアにあるホテルでリトビネンコは元FSB仲間にポロニアムを盛られ、その数週間後に亡くなります。病床からの痛々しい姿が毎日ニュースで流れていました。プーチンが邪魔者を消したということで、いったん英露関係はこじれました。

*リトビネンコ事件は、こちらのDVDにまとめてありますが、このDVDを見たり、関連本を読むと、ロシアから逃亡する前から既に暗殺されることを前提として生きていたような気がします。

 

リトビネンコ事件の後、次第に再び関係は改善され、2012年のロンドンオリンピックの時には、プーチンは柔道を観戦するためにやってきました。この日は、柔道の前にNo10でキャメロン首相と会談&ランチ、そして一緒に柔道観戦、付き添いには、プーチン同様柔道家であるウィリアム・ヘイグ外相、とても微笑ましい光景でした。

また、従来あったアエロフロートや英国航空(以下BA)の他にEasyjetがモスクワ~ロンドン間の就航を開始し、観光客が増え、良い関係を構築している感がありました。しかし、オバマ米大統領によると、西側陣営はこの間もウクライナの暴動を仕込んでいたようです。また2014年のソチ・オリンピックをあからさまに盛り下げようとしたり、ロシアによるクリミア併合後は、厳しい経済制裁を始めます。そして去年また、2重スパイのセルゲイ・スキポール暗殺未遂などもあり、関係はどんどん悪化の方向にすすんでいます。

おかげで(?)でイギリスのテレビでは、ロシアのテレビ局並みにプーチンの姿をみかけます。もちろんロシアとは違い悪い話ばかりですが、ドキュメンタリーはかなり頻繁にあります。本当は‘嫌い、嫌いも好きのうち’なのではないかという感じさえうけるほど、かなり執着しているようにみえます。但し、池上彰や中村逸郎のような人格攻撃のようなのではなく、よく調べているなと思うことが多いです。

関係が悪化したのが原因か、Easyjet は数年で運航をやめ、去年からは気のせいかアエロフロートもBAも便数鵜が減っているような? アエロフロートは飛行機が小さくなったとロシア人の友達が言っていたので、確実に利用客が減っているのだと思います。飛行機の便数が減っても、旅費は上がっている感じはないし、毎日数便飛んでいるので全然問題はないのですが、スキポール事件以降、私達に実害が発生しています。

 

スキポール事件以降のロシアビザ事情

 

在英ロシア大使館の職員が何人とか何%とかはわかりませんが、かなり減らされたという話です。おかげでビザ申請に時間がかかるようになりました。ニュースでも言っていましたが、私自身、去年の事件の前後に2度ビザを申請したのです。

最初はスキポール事件の1週間ほど前でした。その時は、以前同様スタンダードで1週間、エクスプレスで翌日でした。(ロンドンでのロシアビザ申請は、10年ほど前から大使館に直接申請ではなく、ビザセンターが代行しているので、以前のように当日受け取りはできません)しかし、病気のため予定した旅行に行きそびれた私は、4月初めにビザの取り直しをしたのです。

いつものように1週間でビザが発行されると思い、3週間後に旅行の予定を変更していたのですが、スタンダードは5~20 Working Days、エクスプレスは 1~3 Working Days に変更されていました。ビザセンターによると、ほぼ確実に⒛Working Daysと 3 Working Days だということでした。20 Working Daysということは、カレンダーでほぼ丸1ヶ月です。旅行に間に合いません。というわけでエクスプレスにしてもらいましたが、本当に3日かかりました。他の人達から聞いたら、やはり観光ビザを取るのに約1ヵ月かかったそうです。今年はまだビザの申請に行っていませんが、サイトを見ると去年の春から変わっている気配はないので、やはり相変わらず職員は少ないのでしょう。

私の知り合いのロシア好きイギリス人は「イギリスがロシアに酷いことをするから、こうやって仕返しをされるのよ。ホント、イギリスは酷い!」だそうです。私以上にプロ・ロシアンです。

 

ロシアのイメージ 個人は?

 

国同士の関係は、こじれたままで、国際情勢に左右されるので、簡単に変わるとも思えませんが、個人レベルではどうでしょうか? あくまで、私が会った人達のイメージで、その人達が標準かどうかはわかりません。

イギリス人

イギリス人の多くは、ニュースの影響もあり、一部のロシア大好きな人を除き、ロシアを好きな人は少ないみたいですが、行ったことのある人がみな素晴らしかったというので、ちょっと行ってみたいとこっそり思っている人は結構いる・・・日本と同じような感じでしょうか。

 

ロシア人

イギリスに住む私が会ったロシア人は、里帰りは良いけど、住むためには帰りたくないという人が結構います。私達海外在住日本人にも多そうです。日本人だと親戚とか組織とか人付き合いが面倒とか、純粋にイギリスが好きという理由が多そうですが、ロシア人の場合は、単純に給料が安いとか、システム・設備が遅れているという理由を聞きます。そして、日本人と違い、英国籍を取得する人が多いです。ロシアのパスポートと比べて便利だからです。

また、結構な数のロシア嫌い、ロシア・・というよりプーチンのロシアが嫌いなロシア人がいます。プーチンが生きている間は帰らない・帰れない人というのがいます。帰れないというのは、脱税でもしたのでしょうか? 何か目を付けられているのでしょう。

 

バルト3国国籍のロシア人

ロシア人だけど、生まれ育ちがバルト3国で、ロシアに行ったことがない人達。国籍はバルト3国のどこか、しかし、親はロシア人で自分もロシア人。ロシア語が母語で、ロシア人の学校に通っていたし、ラトビア語とかリトアニア語とか、わからなくはないけど、話すことがないので忘れた、でも、ロシアには興味がなく、行ったこともないという人がいます。そういうバルト3国出身ロシア人達は、私のロシア語の勉強は応援してくれるけど「なんでロシアなんか行くの?」みたいな反応です。ロシア人だといいきるのに、自分のルーツのある国に行きたくないのかなぁと疑問に思うのは、日本で生まれ育ち、まわりもほとんど日本人だからなのかしら? 

 

 

ロシア関連エキシビジョン

 

 

私が知り合ったほんの一部の人のイメージよりも、重要なのはこちらです。

ロシアの悪いニュースばかりほとんど毎日流れているイギリスですが、博物館や美術館、大学やその他の機関によるロシアのエキシビジョンは、かなり頻繁に行われています。芸術家、科学者、歴史学者にはとても重要な国で、国同市の関係はさておきということでしょうか? いえ専門家だけでは、大きなエキシビジョンはいっぱいにはならないので、やはり興味を持つ人は多いのでしょう。

特にロシア革命、そしてニコライ2世処刑100周年の2017年~2018年は、本国よりも多いのではないかという勢いでした。下にまとめておきます。

 

National Portrait GalleryRussian and the Arts17 Mar – 26 Jun 2017
Royal Academy of ArtsRevolution: Russian Arts11 Feb – 17 Apr 2017
Design MuseumImagine Moscow15 Mar – 4 Jun 2017
British LibraryRussian Revolution:
Hope, Tragedy, Myths
28 Apr – 29 Aug 2017
Tate ModernRed Star Over Russia
A Revolutin in Visual Custure
1905 – 1955
8 Nov 2017 – 18 Feb 2018
Science MuseumThe Last Tsar:
Blood and Revolution
21 Sep 2018 – 24 Mar 2019
Queen’s GalleryRussia, Royalty
and the Romanov
9 Nov 2018 – 28 Apr 2018