イギリスの医療・NHS

近頃、病院に行く機会があったので、イギリスの医療について話ます。

 

 

 

重病になったことのある人にとっては、イギリスに住んでいてよかったというイギリスの医療NHS (National Health Service) についてです。

一般的には「待っている間に病気も怪我も治っちゃう」などと言われていますが、日本では何百万もかかるという噂の手術や治療も基本無料です。処方箋と歯医者は有料ですが、失業者や高齢者などは無料です。

それは素晴らしいと思う人はいるでしょう。しかし、通常はかなり待たされますし、風邪やインフルエンザぐらいでお医者さんに行くことはありません。但し、最近は以前と比べて、待ち時間が短いのと、いろいろ改革されているような気がします。地域差があるとは思いますが。

 

GP

 

イギリスに長期住む人は、まずローカルのGP (General Practitioner) に登録します。日本のように、いろいろな医者に行くのではなく、1つのGPに登録し、必ずそのGPに行きます。GPからのリファーラル(紹介)がないと、救急じゃない限り、専門医にかかることも、検査や手術を受けることもできませんので、イギリスに住むにはGP登録が必須です。

駐在員さんや短期の学生で海外旅行保険がカバーしてもらう場合は、プライベートや日系のクリニックに直接行くようですが、そうでなければGPに登録です。私の現地の保険の場合は、保険がカバーするにしても、基本はGPのリファーラルが必要です。

今の時代、GPはネットで検索できます。昔は近所の薬局とか隣人に聞いたものですが、NHSのサイトで自分のポストコードを入力すると最寄りのGPのリストがでてきます。そして各GPのサービス、設備、営業時間、レビューなどをチェックして、登録したいGPを決めます。例えば、朝7時にオープンしたり、夕方遅くまで開いていたして、昼間仕事をしている人が行きやすくしているGP、駐車場の有無、アクセスフリーなど。

GPのサービスは、GPによっていろいろですし、同じGPでもサーヴィスが変わっていったりします。例として、私のGPの話を後で書きます。GPによっては、全てのサーヴィスをNHSのサイトに書いてなかったりもするので、直接行って確かめるのがいいと思います。

登録したいGPを決めたら、電話または直接出向いで、登録できるかどうか確認します。GPを探すにあたり1番の問題は、GPの患者が多過ぎて、新しい患者を受け入れないところが多いことです。その場合、他のGPを探すことになり、思うようなサービスや設備がないところになってしまうかもしれません。登録可能な場合は、登録用のフォームと身分証明書を提出します。フォームはNHSのサイトからダウンロードできますが、GPによってはそのGP専用のものがあるようなので、GPでフォームを貰うのが確かでしょう。英国内で引っ越ししてGPを変更する場合は、以前のGPの情報やNHSナンバーが必要になります。

登録をすると、GPによって違うかもしれませんが、簡単な健康診断やお医者さんとの面談をすると思います。

風邪などの場合は、GPに行くよりは、薬局に行き、おすすめの市販の薬を購入して寝るがの1番ですが、抗生物質は処方箋が必要なので、GPに電話、又は直接出向いて、緊急に処方箋をだしてもらいます。また体調の悪いのが異常に長引いたり、普段とちょっと違う症状がある時は、GPから検査や専門医に紹介してもらいます。

もし自分の登録したGPが気に入らない場合は、他のGPにかえることもできます。

GP以外のNHSの施設

 

ウォーク・イン・クリニック (Walk in Clinic)

数は少ないですが、ウォークイン専門のクリニックがあります。住んでいる場所関係なく、予約なして行って診てもらいます。ロンドン中心部だとソーホーにあります。GPの予約が取れないけど緊急に診てもらいたい人や仕事が違い人などが行きます。どのぐらいの診療が可能かは不確かです。私が行った時は腕の怪我でしたが、ソーホーのクリニックにはレントゲンがないので、シティにあるセント・バーソロミュー病院 (St Barthoromew Hospital) のMIU (Minor Injury Unit) に行くようにすすめられました。

MIUは怪我のためのウォークインです。看護師さんが診てくれて、レントゲンもあり、骨折なども治療してくれるようです。ここでは風邪や内臓系の病気は扱っていません。

病院 (Hospital)

病院によって設備や対応できる病気はさまざまですけど、基本的には、専門医がいて、検査、手術、入院設備があります。

またA&Eもあるので、救急車で運ばれたり、自ら救急治療を求めていくこともできます。但し、数時間待ちは当たり前なので、風邪などでは行かない方がいいでしょう。

病院で働いている知り合いによると、どこの病院でも平日の早朝6時~7時ぐらいに行くと1番空いているとのことでした。

ヘルスセンター (Health Centre)

数ヵ所行ったことがありますが、イメージとしては、入院、手術、大きな機械を使用した検査が必要のない病気の専門医を受診する時に行くところです。GPが病院に手紙を書き、病院が予約してくれます。中にはGPが併設されているところもありました。

私が行ったのは、足の巻き爪、耳の異常、フィジオセラピーのためです。

 

私は基本的に健康で過ごしていたし、重い病気にかかった友達も数人なので、まだまだ知らない施設がたくさんあると思います。

 

素晴らしいサーヴィス

 

通訳

GPでは患者に多い言語の通訳が用意できるようです。もしかしたら、スタッフが多国籍なので、対応できるということかもしれません。でも、本当に通訳が必要であれば、探してくれると思います。イギリスでは、公共の施設(病院、裁判所、イミグレーション)で通訳をする資格 (DPSI) があり、フルタイムではないけれど、登録しておくと必要な時に連絡がくるようです。日本人は在住者も少なく、駐在員さんなどは日系の病院に行ったり、会社で通訳を用意するのであまり需要がないと思いますが、それでもイザという時に、頼めるとなると心強いでしょう。普段無縁のものは、専門用語がわかりませんので。

ボランティア

NHSから来るのか、カウンシルからなのかはわかりませんが、病気のために動けないひとり暮らしの方のために、買い物をしたり、掃除をしたりする人が派遣されてくるようです。そして家に何か不備があると、NHSやカウンシルに報告し、病気の人でも使いやすいように、簡単なものはすぐ直してくれるとのこと。知り合いがお世話になった時は、彼女の住んでいる地域のためか、イギリス全体、ボランティアの質が高いのか、’いいところの奥様風の素敵なおばさま’達が来てくれていたそうです。こうして暖かく、親切にしてもらえると、治った時に自分もボランティアをさせてもらおうと思うと言っていました。

 

 

私の登録しているGP

 

私は今のGPに10年以上通っていますが、この間に3度、大きくシステムが変わりました。

第1期 2007年~

ほぼ完全予約制で、予約は2~3週間待つのは当たり前でした。緊急の場合は、Bootsなどの薬局に相談またはWalk in Clinic、病院の緊急ですが、私の場合は、怪我以外で救急病院に行ったことはありません。またプライベートのお医者さんでもいいのですが、うちの会社で入っている保険では、プライベートに行くのにもGPのリファーラルが必要になるので、結局GPの予約待ち、またはレセプションで交渉して、リファーラルの手紙を書いて貰ったりはしましたが、風邪とか熱の場合は、家で寝ていた方が良いです。

第2期 2012年ごろ~?

朝8:30~9:30ぐらいの決まった時間にGPのレセプショに電話をし症状を伝えます。

9:30~12:30ぐらいに、お医者さんから電話がかかってきて、必要があれば午後受診、薬で良さそうな時は、夕方処方箋を取りに行くというシステムでした。患者にとってもレセプションにとっても非常に時間の無駄で、英語が苦手な人には、かなりハードルの高いシステムです。よって長続きはしなかったと記憶しています。

第3期 ここ数年

予約は3週間以上先のことが多いですが、毎日8:30から10:00の間ウォークインクリニック (Walk in Clinic) になっています。朝GPに行った順番にお医者さんに診てもらえます。但し、緊急の病気1つだけで、受信時間は10分。慢性の場合は予約は必要ですが、相当便利なシステムなので、私はこのGPから離れられません。

何か目に見えない問題があった場合、レントゲンやMRIに辿り着くには、今にも死にそうな状態、又は、何度かGPに診てもらう必要があります。1回ごとに予約数週間待ちをしていると、GPが「この患者にはMRIが必要」と決めるまでに半年、更に、病院からの予約待ちに半年ということになり、気がつくと‘今にも死にそう’という条件の人になっているかもしれません。

近頃はウォークインクリニックのおかげで、1~2週間に1度GPに症状を伝えにいけて、1ヵ月以上するとさすがに専門医や検査にまわしてくれます。そして、最近は、うちのGPが優秀なのか、NHS全体変わっているのか、MRIやレントゲンの予約が1~2週間内のことも多いです。MRIやCTスキャンは、NHSと提携しているのか、プライベートのところに行くこともあります。この場合、プライベートでも無料です。

このおかげで、保険を利用して最後にプライベートのお医者さんに行ったのは6年前だということに気付きました。その間に何度かレントゲン、スキャン、MRIを撮っていますが、プライベートに行く必要がないほど、NHSが迅速に対応してくれたということです。ものすごい進歩です。

予約以外で変わったことといえば、以前は血液検査は病院に行きましたが、この数年、GPで検査してもらえます。また、週に1回、外科医がいて簡単な手術もしてくれます。そして、フィジオセラピーなど、以前はGPの紹介が必要だったものでも、GPに置いてあるセルフ・リファーラルのフォームを送ると、フィジオセラピーの治療を受けることができるようです。かなり便利になっています。

私はまだ重病になったことはありませんが、既にイギリスに住んでいてよかったと思います。

 

 

EU/EEA以外の外国人

 

こういう素晴らしいシステムを利用しようとする外国からの無料医療ツアーなどで来る人も増えたせいか、単に人が多過ぎるのか、いつの頃からか、新しくビザを申請する人はビザ申請時にIHS (Immingration Healthcare Surcharge)を支払うことになりました。2019年2月現在、長期滞在のビザを申請する方は、学生またはYMS(ワーホリ)で£300 per year (2年の場合は£600)、それ以外のビザ申請者は£400 per yearを支払います。永住権を申請する際は必要ないらしいですが、法律は今後どんどん変わっていき、私達永住者も支払うことになるかもしれませんね。

但し、EU/EEAの配偶者の場合は、EU/EEA国民同様、今のところ無料です。BREXITの後のEU/EEAの人達の出入国管理やビザの有無がまったくわかりませんが、近い将来、移民法に合わせて変わっていくのでしょう。

 

歯医者はGPではなく、ローカルな歯医者に登録する必要があります。歯医者の話はまた別の機会にします。

 



1 thought on “イギリスの医療・NHS

  1. ピンバック: イギリスの医療・NHSからプライベートへ! | ちょっぴりオタクなヨーロッパ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です