イギリスの水事情

近頃水周りのトラブルがあったので、イギリスの水についてお話しします。

イギリスの水は硬水で、この水でいれるから紅茶がおいしいとよく言われますが、紅茶通ではない私には、特にありがたいことではありません。この水は一体どういうものかというと・・・

初めてロンドンに来た当時、日本ではミネラルウォーターはまだポピュラーではなかったし、毎日お水を買うのもどうなのと思い、無知な私は、日本のように湯冷ましにすればマシなのではとある日、お湯を沸かし、ボトルに入れて冷蔵庫にいれておきました。翌朝、冷蔵庫を開けてビックリ。石灰が水から分離し、ボトルの下に1㎝ほど沈殿していました。これを毎日飲んだら、身体に溜まりそう。そして、誰からともなく「イギリス人のおばあちゃん達が像足になっているのって、何十年も石灰の入った水を飲んでいるかららしいよ。」まぁ怖い!実は、象足病と石灰は関係ないという説もあるのですが、その時の私は話を真に受けました。いえ、沈殿した石灰を見たら誰でも思うでしょう。では、ミネラルウォーターを毎日買ったのかというと、ジュースや炭酸飲料が増えたような気がします。そもそも味のないお水を当時は飲みたいと思わなかったのかも。一般的にはブリタなどを利用するようですが、大量の石灰を取り除いてくれるイメージもなく、そもそも、家にいる時間も少ないし、お料理もそんなにしないし、レストランやカフェでは水道水を使っているに違いないので、あまり意味がないのではと思い、ブリタの使用は現在に至るまでしていません。飲み水はミネラルウォーターで、料理・お茶などは水道水です。

今の家が前の家より、なんとなく水が硬いような気がして、ウォーターソフトナーの機械を入れることも考えたのですが、キッチンの水はそのままにしないと、塩化ナトリウムで味が悪くなるということで止めました。

さて、石灰が沈殿するのを発見しましたが、実際私にはどんな影響があったのでしょうか?

見た目でわかる身体的被害

① 肌

ロンドンに来る前の私の肌は誰もがうらやむしっとりツヤツヤの美肌でした。少々盛っていますが、サウナや銭湯で、ブティックで、通りすがりの人にまで「肌きれい~!」「触っていい?」と言われるのが日常茶飯事でした。しかしロンドンに来て数日すると、身体が妙に痒くなり、2~3週間すると、私の身体は粉だらけになっていました。こういうことにならない人もたくさんいるので、美肌がもろ過ぎたのかもしれません。1ヵ月ぐらい経ったある日、日本人の知り合いに「身体洗い過ぎてるんじゃない」と言われました。そうなんです、日本のまま毎日ゴシゴシ洗っていたのです。磨くのを辞めて1カ月ぐらいすると粉はなくなり、3~4カ月で痒みもなくなりました。しかし、肌のツヤはすっかり消えてしまいました。キューブに入ったバスオイルを勧められましたが、それは肌にオイルがつくからガサガサにならないだけで、肌自体は良くなるわけでもないと思ったので使いませんでした。最初の3~4年はそれでも日本に帰ると、3日ぐらいで肌が生き返っていたのですが、ロンドンに戻るとまたカサカサ、そのうちこちらの水に馴染み過ぎたのか、単に年のせいなのかはわかりませんが、日本に帰っても肌の復活はありません。

② 髪の毛

髪の毛はよく茶色くなる人がいますが、私はもともと茶色いので、これは違いがわかりません。しかもこの10年ほど、昔と比べると黒いような気がします。色は変わらないけど、髪がゴワゴワしました。多分今でもゴワゴワしたままなのかもしれません。また最初の頃は頭皮がブツブツした時もありました。ブラッシングを毛先だけにしたら、1ヵ月ぐらいで治ったのですが、原因が水かシャンプーかはわかりません。

今はネットで事前に情報が得られるので、みなさん日本からいろいろ買い込んでくるようですが、当時は来てから症状に合わせ、こちらのもので対応するしかありませんでした。

メンテナンス

さて、そんな迷惑なお水ですが、身体への影響だけではすみません。日本では必要のない定期的なメンテナンスが必要です。

① ケトル

今は日本でもケトルはありますが、当時はなかったのと、現在のものと違い、グルグルとキンチョールのような電気のコード(?)が入っているものが一般的で、コードに石灰がボコボコにこびりついていくのです。現在のうちのケトルは、ちょっとだけコードが入っているので、これを大体月に1回取り除きます。熱湯を沸かして、市販されているクエン酸を入れ1時間放置します。この粉自体も身体にどうなのと思いますが、これでスッキリと石灰がなくなります。私が使用しているScaleAwayというのはかなり優秀です。

② シャワー

こちらも月に1回、シャワーヘッドの穴一つ一つを安全ピンでブチブチ刺します。中には石灰がこびりつき過ぎて、なかなか入らないのもありますが、ゴリゴリしながら貫通させます。その後、ScaleAway を入れてたぬるま湯に1時間浸けます。ステンレス(クローム?)の部分もピカピカになり、穴も綺麗になって、シャワーの出方が全然かわります。

③ 洗濯機

毎日洗濯の時には、ヘキサメタリン酸ナトリウムが含まれたウォーターソフトナーの塊を洗濯機の中にいれます。液体バージョンもありますが、洗剤を入れるところにいると中に固まって残るので、粉の塊を使っています。タンブラーもパイプも石灰、汚れ、臭いから解放されるという触れ込みです。知り合いには、重曹で十分だという人がいて、効果の違いはわかりません。その知り合いは、10年以上洗濯機が壊れていないので、重曹でいいと思います。値段が10分の1ぐらいでお得です。

この他に月1回、洗濯機掃除用の粉を入れて空洗いします。これがどのぐらいの効果があるかもわかりませんが、掃除のつもりでやっています。

④ キッチン・お風呂のシンクと蛇口

石灰のせいで、あちこちに白い水滴が残ります。しかも普通のキッチンクリーナーなどでは落ちません。お酢や重曹でという人もいるようですが、私はVikalというのを使ってます。成分はアルコール、マイレン酸、スルファミン酸とありますが、何が効いているのか一瞬で水滴を取り除いてくれます。これを使ったらもう他のものは使えません。ものすごく強力です。効き過ぎて身体には良くなさそうです。

⑤ バスルームのライト

うちのバスルームの電気は、流行りの天井に張り付いているタイプです。電球が切れたら白い輪を回してガラス部分をはずすのですが、蒸気となって天井に到着した水の石灰が、隙間から入り込み、スクリュー部分にこびりつくのです。今時の電球は何年ももつので、切れるまで放置しておくと、白い輪が回らなくなり、開けることができません。うちのバスルームには電気が4つあるのですが、私は住み始めて3年半近くしたある日、開けれなくなったので、友達に頼みました。しかし3つしか開けれず、最後の1つは近所の厳ついイギリス人男性が無理矢理開けてくれました。以降は、1~2ヵ月に1回ペースで取り外し、石灰を取り除き、更にスクリュー部分にバセリンを塗って滑りやすくしています。

プランマーにお願い

いろいろ問題がある石灰ですが、これだけではすまず、私は新年早々、プランマー(水道・配管工)を呼ぶことになりました。理由は2つです。

① トイレ

トイレの水を流した後、水がスッキリ止まらなくなりました。同じ建物に住む人達に同様の問題が起こっていたので、いよいよ私の番かと思ってはいたのですが、すっきり止まらないけど、量は滴る程度で、時々止まることもあるので放置していました。そんなある日、水道代を見たら50%もアップしている!留守の間に誰かがお風呂に入っているのではないかというぐらい。メーターを見ると、水を流してもいないのにクルクル動いてます。しかし、ちょっと滴っているだけなのに・・他にもっと水漏れしているところがあるのではということで、プランマーに来てもらいました。プランマーが来るまで毎日メーターチェックしましたよ。修理後はメーターの動きが全然違うので、本当にトイレだけで水道代が跳ね上がっていたみたいです。

原因は何かというと、トイレの水を流すフラッシュがが壊れている?しかし、フラッシュ本体が壊れていることも多いけど、うちのように滴るだけでの場合は、フラッシュに着いている黒いゴムに石灰がこびりついて、キッチリ閉じなくなっているだけのこともあるらしい。その場合は、別売りのゴムだけとりかえればいいということだけど、またすぐに本体が壊れる可能性もあるので、全部取り替えました。プランマーさん曰く、しばらくするとフラッシュのスペアを製造しない会社があるから、ゴムだけでもスペアを買っておくようにとのことでした。

② キッチンの蛇口

レバーをあげると水が出て、左右に動かして温度調節するタイプの蛇口です。レバーの動きがめちゃくちゃ鈍くなり、動かすとドスっという音がして水がたくさん出ます。水の量を調整するのが非常に難しいので、これも水道料金に貢献したのかもしれません。こうなると、蛇口を交換するしかないようです。プランマーがあまりにも安いと壊れやすいといっていましたが、高いからといって石灰がこびりつかないということなはないので、ほどほどの値段のものにしてみました。ちなみに高いのは£1,000というのもありましたね。それで数年に1回交換とか無理です。

ロンドンのプランマー事情

今回は冬という最悪の時期で、プランマーさん達はボイラー修理で飛び回っていて、うちのどーでもいい修理に喜んで駆けつけてくれる人はなかなかいませんでした。同じ建物の住人達が Very Reliable というプランマーにまで無視され、自力で探しましたが、最初に状況をチェックにくるということでした。予定よりも2時間ほど遅れてきました。2時間・・・ですが、イギリスでは想定内、この時期ならかなりマシでしょう。しかもこの人は遅れるのに、ちゃんと連絡してくるので、他と比べてかなりキチンとしています。遅れるとか来ないとか音信不通とかよくあることです。

しかし、トイレのフラッシュとキッチンの蛇口の取り換えに2時間半かかるから£230!何故? 私はてっきり1時間£85か、せいぜい£150ぐらいかと思っていたのですが£230.プラス、蛇口£100+、フラッシュ・・・目の前が真っ暗になりました。友達に聞くと、トイレは10分、キッチン20分。ぼったくりか・・・しかし今の時期、プランマーはなかなか見つからないし、毎日水が流れていくので、他の人を探して待っている間に数十ポンドは水道料金に加算されていきます。プランマーさんに電話をして、2時間はおかしくないかということであれこれ交渉し£100話をつけました。結局数日後、彼のお父さんがやってきて到着から支払いまで45分ぐらいで終わったので、もっと安くしてくれました。 田舎に住む友達のプランマーは1時間£30らしく、値段を聞いてビックリしていましたが、ロンドンだと1時間£60~£120、または、仕事によって料金を設定するのが普通のようです。今回の私のような場合は、ほぼコールアウトチャージだけということで、1時間の料金が普通でしょう。1時間の値段に上限の開きがあるのは、企業の規模、場所、VAT登録などいろいろ理由があります。うちのローカルは大体£70~£85が多いようです。

今年はちょっと家にお金をかけようと思っていましたが、家具とか家電の買い替えを考えていたので、こういうことになるのは想定外でガックリです。

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